箕面公園昆虫館 › お知らせ
久慈産琥珀の新種の昆虫化石の論文が出版されました

2006年に岩手県久慈市の白亜紀後期約8600万年前の地層から見つかった琥珀の昆虫化石は長らく日本で唯一のカマキリ化石だと考えられていました。しかし、中峰空(箕面公園昆虫館館長)と山本周平(フィールド自然史博物館・米国シカゴ)らの研究チームが改めて詳細に調査した結果、捕獲脚を持つアミメカゲロウ目トガマムシ科(新称)の新属新種の昆虫であることが判明しました。
アミメカゲロウ目トガマムシ科の現生種はサハラ砂漠以南のアフリカ大陸に13種が分布しているだけの小さな分類群です。一方、本科の絶滅種は中生代白亜紀から新生代第三紀の世界各地の琥珀から17種が記録されており、久慈産琥珀からの発見は日本のみならず東アジア初の記録です。
新種の昆虫化石の和名を「クジコハクトガマムシ」、学名を歌舞伎役者で俳優、そして昆虫好きとして知られる香川照之さんに昆虫の認知度向上に貢献していただいたことへの感謝の意を込めて献名し

Kujiberotha teruyukii(クジベローサ テルユキイ)」

と命名、記載しました。
本標本は岩手県久慈市の久慈琥珀博物館に収蔵・保管されています。


【発表雑誌】

雑誌名:ZooKeys
論文タイトル:A new genus and species of thorny lacewing from Upper Cretaceous Kuji amber, northeastern Japan (Neuroptera: Rhachiberothidae)
著者:Hiroshi Nakamine, Shûhei Yamamoto
DOI番号:10.3897/zookeys.802.28754
論文URL:https://zookeys.pensoft.net/article/28754/

クジコハクトガマムシ標本全形
クジコハクトガマムシ標本全形。スケールバーは5mm。
久慈琥珀博物館収蔵・保管。


【研究の詳細】

白亜紀後期の久慈産琥珀から見つかった「日本で唯一のカマキリ化石」はカマキリではなかった
  

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